フォルティッシッシモ

白秋 - 伊集院静

概要
病床に伏す真也の屋敷へ、花を活けに訪れる文枝。長年真也の看護をしてきた志津は、 自然と惹かれあう2人に嫉妬する。
鎌倉を舞台に男女3人の揺れ動く心模様を描く、伊集院ワールドの傑作恋愛小説。
感想
ドロドロです、感想はそれに尽きます。
特に2人の仲を邪魔する志津の心中・行動の描写は、どれも見事です。 前半部は登場人物の心象がメインになっていて、後半から怒涛の展開となりました。
前半に引っ張られる分、個人的にはラストが物足りなかったのですが、 そのアッサリ終わってしまう流れも、物語としての完成度を高くしています。
圧倒的な登場人物の少なさ、それでいて飽きが来ない内容、「文に引き込まれる」という言葉を実感した小説でした。