フォルティッシッシモ

ネアンデルタール - ジョン・ダーントン(訳)嶋田洋一

概要
恩師であるケリカット博士が、タジキスタンでの発掘中に行方不明となったとの連絡を受け、 古人類学者のマットとスーザンは米国メリーランド州にある戦士調査研究所に向かった。
そこでふたりは、ケリカット博士が今なお生息するというネアンデルタール人を追って行方不明になったことを知る。 幻のネアンデルタール人を巡って、それぞれの思惑が織り成す人間模様。 元ニューヨークタイムズ紙の記者が送る、サイエンス・アドベンチャー!
感想
SF物は大好きですが、その中でも格別好きなのが、 我々ホモ・サピエンスに最も近い近縁種とされるネアンデルタール人を扱った当作品。
注目すべきは、作者が描くネアンデルタール人です。かつて同時代に共存していた人類なので、 多少夢見がちになってしまうのは当然ですが、そんな幻想を持ったまま読むとブチ壊されてしまうでしょう。
また「科学者」という立場に置かれた、登場人物達の心境も秀逸です。
近未来や超科学、巨大生物といったSF作品とは違い、現実感と臨場感がある素晴らしい内容になっていますので、 読んで損はしないはずです。